第10章 二人ノ死神
「──私は──…少し…こちらの世界に長く関わりすぎたのか…」
「イィエーーーッス!!わかってンじゃねえか!!」
突如聞こえた声にルキアは勢いよく振り向いた
「まァ言い方変えりゃ、こうして現世に長居したおかげで てめェはちっとばかし長生きできたってコトだがな!ルキア!!」
赤髪の男は抜刀しながら言った
「…貴様…恋次…!阿散井恋次か…!?」
ルキアが問う
男はルキアの目の前に刀を振り下ろす
「尸魂界からの追手が背後に迫ってるってのに考え事に夢中で声かけられるまで気付かねえってか?いくら義骸の身とはいえ二月三月でちいっとユルみ過ぎじゃねぇか!?」
阿散井恋次と言われた男は振り下ろした刀を肩に掛ける問う
「吐けよ ルキア。てめーの能力を奪った人間はどこにいる?」
「な…何を言っておるのだ…?義骸に入っておるからといって力を奪われたとは限らぬし…まして その力を奪った相手が人間になどと…」
「人間だよ!」
すかさず言う阿散井
「出なきゃ てめーがそんな 人間みてーな表情してる筈が無え!」
「────…!」
「オレと同じルコン街の出でありながら大貴族の朽木家に拾われ死神としての英才教育を施された朽木ルキアともあろう者がァ!そんな人間みてーな表情してていい筈が無えんだよ!!
なァ! "朽木隊長"!」
恋次の言葉にルキアは後ろを振り返る
「─────白哉……兄様───……!」
「…ルキア………」
途端に阿散井が斬り掛かる
「…"人間への死神能力の讓渡"は重罪だぜ。その処刑を刑軍どもじゃなくオレ達に任せたのは上なりの優しさだろうよ。
さァ 居所を吐けよルキア。オレ達はてめーを捕え、てめーから力を奪った奴を
殺す。 」