第6章 カロス地方の思い出
「随分とまあ逞しくなったもんだ!」
私が勝負に勝つと博士はわが子を見るような感じに頭を撫でる
「それに、君はポケモンへの愛と信頼があるよね!氷空!この町には僕の宝物が隠してあるんだ…良ければ探してごらん!」
そう言うと研究所に帰って行った
博士の宝物か
一体どんなのだろう?
私は暫くの間探していると
「あれ?この字は」
レンリステーションのベンチに美しい字で
…これを読んでいる君へ…
…今どんなふうになっていますか?…
…なりたい自分になっていますか?…
…そもそもなりたい自分ってどんな自分ですか?…
…分からないけれど、楽しく生きている…
…そう胸張って言える様な毎日だと素晴らしいよね…
…未来のプラターヌへ…
…未来を夢見るプラターヌより…
「宝物って未来の自分にあてた手紙だったんだ」
もしかして、他の地方に旅立つ前に?
確かナナカマド博士がカロス地方に教え子が居るって言っていたっけ
シロナさんもそんな様な事を言っていたし
博士の研究所の人だって言っていたし
「プラターヌ博士の事だったんだ」
私は何処までも続きそうな線路を眺めながら博士の手紙を思い出していた