第12章 ギアステーション襲撃
周りが唖然としつつ
「アデクさん、こいつの話を聞いてもメンドーなだけです…こいつにこそ心がないよ!」
「そうだな…本当に哀れなものよ…Nよ…いろいろ思うことがあるだろう…だが、おまえさんは決してゲーチスに操られ理想を追い求めたのではなく自分の考えで動いたのだ!だからこそ、伝説のポケモンと出会うことができたではないか!」
アデクさんとチェレンの言う事は一理あるなと思いつつ
Nを見ると
「…だが、ボクに英雄の資格はない!」
「そうかあ?伝説のポケモンとともにこれからどうするか…それが大事だろうよ!」
アデクさんはにかっと笑うと
「わかったようなことをいままでお互い信じるもののため争っていただのに!なぜ!」
「Nよ…お互い理解しあえなくとも否定する理由にはならん!
そもそも争った人間のどちらかだけが正しいのではない…それを考えてくれ」
そう言うとアデクさんとチェレンはゲーチスを連れて出ていく
私とトウヤ…そしてNだけになった
「キミ達に話したいことがある氷空と初めて出会ったカラクサタウンでのことだキミのポケモンから聞こえてきた声がボクには衝撃だった。
なぜなら、あのポケモンはキミのことを「スキ」といっていた。「一緒にいたい」といっていたから
ボクには理解できなかった。
世界に人のことを好きなポケモンがいるだなんて…それまでそんなポケモンをボクは知らなかったからね。
それからも旅を続けるほどに気持ちは揺らいでいった。
心を通いあわせ、助けあうポケモンと人ばかりだったから。
だからこそ、自分が信じていたものがなにか確かめるためキミと闘いたい。
おなじ英雄として向き合いたい。そう願ったが、選ばれたのはトウヤ…キミだった。
しかし、それ以前にポケモンのことしか
いや、そのポケモンのことすら理解していなかったボクが、多くのポケモンと出会い、仲間に囲まれていたキミ達にかなうはずがなかった。
さて、チャンピオンはこんなボクを許してくれたが、ボクがどうすべきかはボク自身が決めることさ
トウヤは夢があるといった。
その夢、かなえろ!
すばらしい夢を実現し、キミの真実とするんだ!
トウヤ!キミならできる!!
それじゃ…
サヨナラ…!」
そう言うと彼…Nは旅立って行った