第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】
モストロ・ラウンジのVIPルームは、本来顧客と契約を交わす場所。
そんな厳かで静粛なる部屋で、恋人になったばかりの男女が淫らに交わう。
床に転がりながら秘部同士を打ちつけて、息を乱し、嬌声を上げながら貪り合う。
「ん、はぁ……ッ、アズール……、あ、あ……ッ」
「もっと、呼んでください……。僕を……ッ」
ぬちゃり、と卑猥な音を立てて腰を押し回されたら、それまで当たらなかった場所が擦れて新たな快感を生む。
快楽を得るたびにぎゅうぎゅうと蜜壺を締めて、中にいる雄から子種を奪おうと企んだ。
ヒカルの企みは功を奏し、切ない吐息を漏らしたアズールが唸る。
「ん、はぁ……、そんなに締めないで。まだ僕は……、続けていたいんです。」
吐精感を散らそうと突きを浅くしながら快楽をコントロールしようとするアズールを恨めしく思い、背に回した腕に力を込めて、自らストロークを深くした。
「う……ッ、な、なにをするんですか……! あなたって人は、本当に予測がつかない行動をしますね!」
「だって、恋しいの……。」
もっと奥に、身体の中心にアズールの痕跡を残したくて仕方がない。
穏やかな行為じゃ満足できそうになくて、腰を揺らしながら自ら快楽を追い求める。
「でも、まだ、僕は……。」
「また、すればいい、のに。」
息を乱しながら至極当然なことを言ったら、アズールの瞳が驚きに見開いた。
「次が、あるんですか?」
なにを驚いているのだろう。
恋人同士なら、互いが互いを求めるのなら、必ず次はやってくるのに。
「避けたりしませんか? 僕から、離れていったりしませんか?」
アズールの心には、小さな傷がある。
ヒカルが避けて逃げたせいで残った、小さな傷。
どんなに変わろうとも性根は臆病でネガティブなアズールを可愛く思うのは、どうかヒカルだけでありますように。
「しないよ。アズールくんが、好きだから。」
ヒカルの前では気弱な彼に、自信がつく言葉を贈ろう。
「アズールくんを、愛してる。」
二つの世界を生きてなお、一番好きだと断言できるくらいに。