第1章 鬼の仕事
「はぁ・・・、連絡出来る物は此方で用意しますから、それまでに、貴方も荷物を纏めておきなさい。それでは、また後で来ますので、その時に。」
そう言い残して、鬼灯は部屋を後にした。
「手紙が駄目だなんて、デタラメ言いましたけど・・・、まぁいいか。携帯というのを用意すれば、声が聞こえるようですし、連絡できるし、声も聞こえる、まさに一石二鳥ですね。」
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とある穴の前、二人の鬼が立っていた。
「それじゃあ、鬼灯様行ってきますね。」
「ええ。気をつけて、行ってらっしゃい。」
一人は笑顔で、一人は無表情で、言葉を交わす。
鄙鬼は、穴へ躊躇なく入っていった。
これじゃあ、寂しがる自分が馬鹿みたいではないか、そこまで考え、鬼灯は頭を振り、思考を遮る。
こうして、鬼の仕事が始まる。
鬼の仕事END