第1章 [煉獄杏寿郎]
いつも控えめに喘ぐトリ。
もちろん、その姿にいつも興奮を覚えていた煉獄だったが、今日はいつも以上にそそられ、紳士という煉獄の余裕のある理性を無くさせていた。
「…すまない、キイロイ…。今日はいつものように優しく出来る余裕が無さそうだ。」
獅子の様に鋭い、トリを欲して欲情している煉獄の表情にいつもと違って新鮮ですね、なんてトリは煽る様に言い、身を任せますと言わんばかりにこくんっと首を縦に振る。
煉獄の手がトリの着物の両側を掴み、がっと肩まで下ろす。
あっと、恥ずかしそうにするトリを無視し、襦袢姿を露わにさせるトリ。
煉獄は跨る様に、上から俺を見なさいと指示する。
いつもはきちんと結ってある髪が乱れ肌にはりつき、蒸気した肌、艶っぽい表情、女の匂い。
まだキスしかしていないのに。触ってもいない煉獄の下半身に響いている。
煉獄だけではない、それはトリも同じで。鼻がよく効くため、欲情している匂い、雄の匂い、煉獄そのものの匂いで深部が熱く疼いているのがわかる。
「んんっ、あっ…!」
びくんっと身体を晒せたのは煉獄が襦袢の上から乳首を指で触れたからだ。
襦袢の上からでもはっきりと、トリの乳首が立っているのがわかる。
ころころと親指の腹でそそり立つ乳首を弄ぶと、びくびくしながらぺたっと煉獄の胸に掌を付き、喉の奥を甘く鳴らす様にトリは鳴く。
煉獄は少し身体を起こして、ちゅ、じゅるっと吸い上げたり、カリッと甘噛みするとひんッとのけぞるトリ。
倒れない様に腰を支える様にさり気無く手を伸ばす煉獄。
その1つ1つの行為に力加減が効かない。
襦袢をはだけさせ、白くてもっちりとしたトリの肌が露わになる。
汗がつぅっと垂れる首筋を煉獄の分厚い舌で舐め取り、
首筋をちぅっとキツく吸い上げて、汗ばんだ肌に紅く痣を残していく。
はぁーっと、それだけでは足りぬというようにその上から噛み付く煉獄。
「んんっ…ぃッ…」
「…すまん、力の加減が出来ない…痛い…か?」
欲望と理性とまだ攻めがあっているようで、トリに確認する余裕はあるようだ。
トリはとろんとした表情で、くすりと笑い
「いつもと、んッ、違ぅ、杏寿郎さんを…感じることが出来て、楽しい…ですよ?」