• テキストサイズ

眠り姫の物語【ツイステ】

第4章 運命に引き寄せられた出会い



『あー、笑った…

でも、やっぱりこれはお花が可哀想だわ。

白い薔薇だって、赤い薔薇に負けないくらい綺麗なんだから!
今度は、ちゃんと見てあげて欲しい』

オーロラの言葉に、リドルは驚いたような瞳で彼女を見つめた。

「…分かった。次は君に従ってみよう」

「「!!」」

今度は、従者2人が驚いた。

まさかあのリドルが。赤い薔薇に尋常ではないこだわりを持っているリドルが。

白い薔薇を認めるような言葉を口にするなんて。

まさに天変地異だと思ったのだ。

「…君は不思議な子だね。皆んなボクを怖がるのに、ちっとも臆さない。

別に態度を改めろと言ってるわけじゃないよ?」

オーロラはハッとした。

自分の身分を明かすどころか、彼女は自らの名を明かす事すらまだしていないのだ。

『そういえば、自己紹介の途中だったよね。

私は、』

しかし、またしても彼女は名乗る機会を失う。

彼の登場によって。

「おい!お前またそんな格好で庭に…やっぱ裸足だし…」

濃紺の、光沢あるタキシードを着こなした

王子様モードのフィリップがそこに立っていた。

『もう着いていたのね!』

「あぁ、今しがたな」

久し振りに再会する許嫁に駆け寄るオーロラ。

なんとなく面白くない気持ちになってしまう3人。


オーロラの頭に手をぽんぽん。としてから、フィリップはやっと彼等の方に視線をやった。

彼は王族としての経験から、リドルが普通の貴族ではない事を瞬時に見抜いた。

「…ハーツラビュルの、リドル王子か?」

なんとなく敵意を向けられた気がしたリドルは、自分よりもかなり長身のその男を睨みあげた。

「人に名を確認する前に、自分から名乗るのが礼儀ではないのかい?

フィリップ王子」

2人が視線を合わせると、なぜかバチバチと火花が散るようだった。

この嫌な雰囲気に耐えられなかったオーロラは発話する。

『さ、3人にはさっき、助けてもらったの。

魔法を使ってね?凄かったんだから!』

「…へー」

フィリップは、何を思ったかオーロラの肩を抱き寄せて言った。

「それは、こいつが世話になったな。どーも」
/ 526ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp