第24章 誠意の欠片も感じられない謝罪
「親父殿すみません、力加減を見誤り 中に族が」
「シルバー、もう戦う必要はない。この者達は わしの客人として迎え入れるからのう」
「え…あぁ、はい。分かりました」
シルバーは ほんの少し、困惑の色を滲ませた後、すぐに納得してみせた。
一方のフロイドは、懸命に追い掛けていた獲物を横取りされた獣の如く、凶悪に瞳をギラリとさせた。が、どうやら瞬時に興味が失われたらしい。
あんなにも戦闘を楽しんでいたにも関わらず、次の瞬間にはもう、いつもの飄々とした彼に戻っていたのだった。
ジェイドとセベクは、というと…
さっきまで隣で激しくやり合っていたフロイドとシルバーが、城から出てこない。
様子を見に、自分達も城内へ入ろうと言うジェイドに対し、セベクは “ その手には引っかからない! ” と、頑として立ちはだかった。
小さな溜め息をジェイドが吐いた時、リリアが現れた。そして、先ほどと同じ説明を口にした。目を剥くセベクを他所に、ジェイドは笑顔で入城するに至ったのであった。
リリア、シルバー、セベクは、大階段を上っていく3人の背中を見送る。
笑っているのはリリアだけで、シルバーとセベクの2人は不安顔であった。
「リリア様!どうしてあんなに怪しい輩をマレウス様の元へ行かせてしまうのですか!!
若様にもしもの事があれば…!あぁでも、あんな脆弱者にマレウス様がどうにかされるとは思えませんがっ」
「親父殿は…マレウス様に、何をお望みなのですか」
「んん?そんなの決まっておるよ。わしはマレウスに
ただ、幸せになって欲しいんじゃ」