第24章 誠意の欠片も感じられない謝罪
「とにかく!!若様は、いま誰ともお会いにはならない!分かったらさっさと帰れ!」
「あー……もう お前さぁ、さっきからごちゃごちゃうっせんだよ」
「フロイドがそろそろ限界ですね。まぁ僕も、悠長に構えるつもりは一向にありませんが」
「仕方ありませんね。お前達、お相手して差し上げなさい」
アズールが言うと、2人はスッと彼の前に歩み出る。その顔は、なんとも含みのある不気味な笑顔であった。
シルバーとセベクは向けられた殺気から、いま確実に、目の前の男達が敵になったのだと悟る。特に攻撃色の強いフロイドとジェイドを警戒した。
…それが失策だったと気付けるのは、アズールが行動を起こしてからだった。
なんとアズールは、一瞬でその身体を透明にしてしまったのだ。これでは、どこへ移動されるか分かったものではない。
シルバー達は、即座にアズールの気配を探ろうと集中する。しかし、そんな隙を双子達が与えてくれるはずがなかった。
「どうか、退いてくださいませんか」
「どんな敵からもマレウス様をお守りする。それが俺の役目だ」
「それは残念です…。敵にも敵なりに、行動にはそれなりの理由があるんですけどね」
シルバーの前には、ジェイド。
「そこをどけ!!」
「あっは!行かせな〜い」
「くそ!敵の侵入を許してしまっては、若様に顔向けが出来ん!しかし、こうなっては仕方ない。
お前を瞬殺して、さっきの眼鏡を追う!」
「…なぁ、なんで勝てると思ってるわけ?
蹴散らしてやるよ」
セベクの前には、フロイドが立ちはだかった。