第22章 真実の愛はディアボリック
ローズは風呂を出て、3人の近くまで来ていた。冷えた体が温まると、少しは頭の中も冷静になっていたのだった。
1番気になったのは、デュースの怪我の様子。自分を守る為に傷だらけになった彼に、どう声を掛けたらいいものかと考えながら、声のする方へ足を向ける。
しかし、そこで悲しい言葉を聞いてしまう。
“ ここを出るまでローズは、一歩も外には出さない ”
リドルの声であった。さらには、他の2人も同意した。マレウスともう二度と会わせてはいけないというのが、3人の総意のようだ。
彼女は、目の前が真っ暗になりながらも彼らに詰め寄った。
『どうして…、どうしてもうマレウスに会うな、なんて言うの?
私、まだ彼ときちんと話も出来ていないのに!』
「「「!!」」」
『お願い、もう一度会わせて。マレウスに…会わせて』
「ちょ待て ローズ!さっきの惨状を見て、なんでまだそんな事が言えるんだ!?あいつは僕達に本気で攻撃してきたんだぞ!?」
「デュースの言う通りだ。奴は、お前を騙していたんだぞ?
その様子だと、お前達は何度も会っていたんだろう?でも、真実を話そうとはしなかった」
『それは…、きっとマレウスにも事情があって…!それに、今日 彼は言っていたわ。私に、話したい事があるって!それはきっと』
ローズは、まだマレウスを信じていた。
きっと今日、真実を打ち明けてくれるはずだったに違いない。
それに、彼は言った。自分の心臓を突き刺せと。もしかすると、自身の命を差し出したとしても彼女を助けたかったのかもしれない。
過去には、ローズの呪いを解こうとしてくれた。ユニコーンの角の事を教えてくれたのだって彼だ。
ローズは、まだマレウスを信じていた。