• テキストサイズ

眠り姫の物語【ツイステ】

第22章 真実の愛はディアボリック




まるで、なじられるように、いたぶられるように、目の前で対抗するデュース。既に立っているのもやっとという様子だ。
しかし、何度 強力な魔法を穿たれたとて、衝撃をその身に受けたとて、彼は立ち上がった。
たたらを踏み、ローズとマレウスの間に立つ。

そんな彼が手にしているマジカルペンの魔法石は、黒く淀みつつあった。


「…それ以上、魔法を使うべきではないな」

「うる、…さい」

「やめておけ。
堕ちるぞ」

「言った…だろ、俺は…アンタを 絶対に許さないっ。
ローズを、傷付けた、その罪を…っ!その身で償え!!」

「!」


戦意喪失寸前だと思っていたデュースの身に、急激に魔法力が集まるのを確かに感じた。マレウスでさえ、半歩だけ後ろに身を引いた。

その隙を見逃さずに、デュースは無我夢中で行動を起こした。
ついに彼の力が、この土壇場で開眼する!


「落とし前をつけてもらう! 歯ァ食いしばれ!
ベット・ザ・リミット!!」

「!!」

『っっ!!』


強大な力が、マレウスに向かう。
ベット・ザ・リミット(しっぺ返し)彼が受けた魔力を溜めて、全てを相手に返す。デュースのユニーク魔法であった。

ついに、彼の努力が身を結んだ瞬間だった。ローズを護りたいという鋼のような決意が、天が彼に唯一無二の魔法を与えたのだ。


しかし…。その天が与えた好機さえ、マレウスには届かない。


「やはり、人の子というのは…
弱く、悲しい生き物だな」

/ 526ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp