第21章 育まれる愛とフルムーン

その日の夜。
ローズとデュースは、夕飯の後のゆったりとした時間を共に過ごしていた。


『今日一緒に作ったオムライス、かなり上手くいったと思わない？』

「お、やっぱりそうだよな！僕もそう思ってたんだ。
味より何より…卵がタダっていうのが素晴らしいよな…！」

『嫌だデュースったら。私そんな話してないのに！でも、その考えはなんだか、凄くデュースらしいわね』

「…ん？それってローズは、僕がケチって言いたいのか？」

『倹約家、って言いたいの』

「そうか！褒めてくれてたんだな。ありがとう」

『……』単純


いつの日か、フロイドがここへ連れて来たヒヨコ。ジャコとメダカ。２羽は順調に大きくなり、もう卵を産めるくらいに成長していた。立派なニワトリになったのだった。


『でも、２羽とも雌鶏だったのは嬉しい誤算だったわよね。おかげで、1日2つも卵が手に入るから』

「甘いなローズは。1羽は雄鶏の方が良かったに決まってる」

『ええ？でもそれじゃ、手に入る卵の数が半分になってしまうわよ？』

「今はな！だが、オスとメスが揃っていれば…
いずれ、有精卵が産まれる！」

『なるほど！！賢いデュース！
そうなれば、どんどんヒヨコが孵って 将来はたくさんの鶏が卵を産んでくれるのね』

「そういう事だっ！」



2人が揃えば、それだけで平和なのであった。