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眠り姫の物語【ツイステ】

第19章 悔恨と踠きのドラコニア




マレウスは困惑し、そして迷った。

打ち明けるべきか。否か。

『でも どうして、私がマレウスを怖がる なんて思ったの?』

本来ならば、打ち明けるべきであろう。
お前を呪ったのは この僕だ。ドラゴンの姿も、僕が変化していたに過ぎないのだ。と。

だが もしも、それを打ち明けてしまったならば…

『ふふ、たしかに貴方 少し目付きが怖いけど…。でも私は知ってる。
もう2度も、マレウスが私を助けてくれたこと』

もう二度と、こんなふうに笑いかけてもらえないだろう。
もう二度と、名前を呼んでなど貰えないだろう。

彼の心は、それを強く拒絶した。例え、卑怯だと言われようとも。卑劣な選択だと言われようとも。

ローズに心の底から嫌われてしまう事に比べれば、それらは些細な事だと思えたのだった。


「僕が、2度もお前を助けた だと?」

『ええ。1度目は、お城が襲われた6年前。それに2度目は…今。
私を毒蛇から助けてくれた。

ありがとう。マレウス』

「お前は…知っていたのだな」

『え?』

「6年前の奇襲が 僕達の企てではなかった事だ」

言うまでもなく、あの奇襲はアズール達の策略であった。
彼らがマレウス達に扮装し、あたかも城を襲ったのはマレウスなのだと仕立て上げた。

しかし、彼女はその事実を知る前から、奇襲はマレウス達の仕業では無いと信じていた 唯一の人間であった。

『…うん。知ってた。信じてた。
マレウスは、あの時 私の事を助けに来てくれたんだって。

でも あの頃の私は、今よりももっと力が無くて、ただ守られる存在でしかなかった。
だから、貴方達の身の潔白を証明する事が出来なくて…本当にごめんなさい。

疑われて、辛かったよね。悲しかったよね。身に覚えのない事で傷付けられて…。

私、ずっと貴方にそれを謝りたかったの』

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