• テキストサイズ

眠り姫の物語【ツイステ】

第14章 我儘になりたいクイーン




「お〜〜ぃ、聞こえる〜?」

『フロイド!聞こえる!』

随分と遠くの方から、彼の声が聞こえる。あの1跳びで、いったいどれくらい遠くに飛んだのだろうか。

「えっとねぇ、いまお姫様がいるところから、右 左 左 右 って進んで〜」

『わ、分かった! 行きましょうエース!』

フロイドから指示を受けたローズは、言われた通りの道順で進む。

するとそこには…


「あ、来た来た。久しぶり〜」

待ちくたびれた様子のフロイドの姿があった。

『驚いたわフロイド!でも凄い!まさに神業!』

「え〜?俺エラい〜?」

『えらいえらい!』

ローズはうんと背伸びをして、フロイドの頭を撫でる。

気持ち良さそうに目を瞑るフロイド見て、エースは不服そうな表情を浮かべる。

『この調子で、早く攻略しちゃいましょう!』

「りょうか〜い」

フロイドとローズは、2人でエースの方を見つめた。

「……はいはい 分かったって!また俺が馬になんのね!

なんか面白くないわー」

しぶしぶエースが腰を折ると、さきほどと同じようにフロイドは宙を舞った。

高く高く身を投げると、ぐりんと体を回転させながら辺りを見渡す。眼光をたたえる彼の瞳には、またゴールへと近付く道順が見えている事だろう。

フロイドが着地した気配のあった少し後、また曲がり角の指示がくる。

『さ、行きましょ』

彼女はエースに声をかけると、スタスタとゴールに向かって歩みを進めるのだった。

「…ちぇ。まじでゴールへの最短ルートじゃんか。

つまんねーの。もっとこの2人と遊んでたかったのにな」

彼の小さな呟きは、ローズの耳に届く事はなかった。

/ 526ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp