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眠り姫の物語【ツイステ】

第14章 我儘になりたいクイーン




『リドルくーん!遊びましょー!』

ローズが叫んだ瞬間、門番の2人は その可愛らしい見た目の門番棒をクロスさせた。そして告げる。

「「帰れ」」

完全に怪しまれてしまったようだ。

「…あぁ?」

遠路はるばるやってきたにも関わらず、文字通り門前払いを食らったフロイドは。堪らず苛立ちの声を上げた。

『し、失礼しました!』

ローズはフロイドの裾口を掴んで、一旦 来た道を引き返す。

明らかに挙動が不審な2人の背中を見つめながら、門番は首をひねる。

「なんだ、あいつら…。いきなり王子に遊ぼうだなんて。怪しいにも程があるな」

「あー…でも、あの女の子 異様に綺麗だったなぁ。まるでお姫様みたいだった」うっとり…

「馬鹿やろ。こんな所に、一国の姫がたった1人の従者といるわけないだろ」

それもそうだ。とか言いながら笑っている門番達であった。



「ねぇ、アイツら今すぐ絞めちゃってさぁ。城の中入ろ?もーそれでいいじゃん」

顎先を上げ、挑発的な瞳で門番達を見つめるフロイド。

ローズは、とんでもない。と首を振る。

『っていうかフロイド、よくも騙したわね…。あぁやって言ったら入れてくれるって言ったじゃない!』

遊ぼうと 叫んだその時の、門番達の冷たい視線を 彼女は生涯忘れる事はないだろう。

「あんな嘘に騙されるとか、まじ引くわ〜」

『もー!フロイド!』

「っぷ…、あははは!やっぱアンタら2人、ほんと面白いなぁ」

突如として背後から届いた軽快な笑い声。2人はすぐ様そちらへ反応する。

「あ、ごめんごめん。いきなり笑っちゃって。驚くよなそりゃ」

全く悪びれる様子はなく、その男は言った。

左目のすぐ横に ハートのペイントをあしらったその男は、ウィンクをしながら名乗る。

「俺はエース・トラッポラ。どーぞよろしく」

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