第13章 絡みつく海のギャング
『フロイドおかえり。どこ行ってたの?』
「お前が汗かいてるの珍しいな」
彼がまた森の家へ帰って来ると、案の定まだ2人は卵を手の平で包んでいた。
「2人とも〜そんなのんびりしてる場合じゃねぇって、外見てみて外」
『外?』
「何があった!」
「いいからいいから〜。ほら、それは俺が預かっててあげるからさぁ」
フロイドに卵を預けたローズとデュースは、促されるがまま家の外へと出る。
その間にフロイドは、その卵を隠し。持ち帰ったひよこを取り出した。
『ねぇフロイド?特に変わった様子は無いけど…』
「焦らせるなよな!マレウスが攻めてきたのかと思っただろうが」
「あれぇ?おかしいなー、さっきまでたしかに3メートルぐらいの兎がいたんだって」
勿論口から出まかせである。
「『嘘だ』」
「………」
天然2人組に嘘がすぐさま見破られたフロイドは、ほんの少しだけ嫌な気持ちになった。
が、今はそれどころではない。
「んなことよりさぁ、みてみて〜?産まれたよー」
フロイドはそう言って、2人にさきほど買ってきたひよこを披露した。
「『!!』」
途端に目を見張る2人。
机の上でぴよぴよと可愛らしく歩き回るひよこ達。
「……」さすがに無理があるかなぁ
フロイドが用意したひよこは、とてもじゃないが産まれたてには程遠い見た目をしていた。
「……か、」
『……かわいいっ!!///』
「っっ、」
“ いけるんだーー! ”
感動する2人の横で、フロイドは必死に笑いを堪えるのだった。