第13章 絡みつく海のギャング
「オレも手伝うー」
嬉々として両手の平を広げたフロイドに、ローズは卵を1つ落としてやる。
「大切な卵なんだから、落とすなよフロイド」
「分かってるってぇ」
『早く産まれてこないかしら…』ワクワク
目をキラキラ輝かせて、卵を大切そうに包む2人の姿を見るフロイド。
彼等の望むような結果は、絶対に訪れないというのに。
さすがのフロイドも、少しだけ胸が痛む…
事などは、全くなかった!!
“ いや面白すぎんでしょ!無精卵温めちゃうとか!いやもう馬鹿とかそういうのを通り越して、愛おしさすら感じるって ”
「ちなみにさー、2人はどれくらいの時間コレしてんの?」
『えっと…そろそろ丸3日かしら』
「っぶは!」
「フロイド!?」
耐えられず吹き出してしまったフロイドに驚くデュース。
「っ、ごめーん、なんでもない」
“ え?まじで?もう3日間もこんな事してんの?いやいや面白過ぎるって。絶対腐ってる絶対腐ってる! ”
『やっぱり、それ相応の時間がかかるわよね…。
一体あと 何日くらい必要なのかしら?』
彼女の質問に、デュースが答える。
「たしか僕が本から得た情報によると…」
“ うわー鯖ちゃん勉強してる。勉強しちゃってるー。なんでその時に有精卵に限った話だって 気付かないわけ。奇跡じゃん ”
「21日間」
『に、21日?21日間って、あの21日間?504時間の21日間?』
「あと432時間だー」ファイトぉ