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眠り姫の物語【ツイステ】

第8章 なんでもある日のパーティ




『……トレイの好感度が、うなぎ下がりだわ』

「だから悪かったって。まさかローズが、あんなふうに考えてくれるなんて思わなかったんだ」

ぷりぷりと片頬を膨らませて怒るローズに、トレイは何度謝ったか分からない。

「騙す方も騙す方だが、騙される方もどうかと僕は思うぞ」

『あ、デュースはトレイの味方なのね』

「い、いや味方とか味方じゃないとか、そういう事じゃなくて!」

「俺はいつだってローズの味方だからな」

「どの口が言うんですか!」
『どの口が言うのよ!』

見事にローズとデュースがハモった。

「…ふふっ、…あはは」

その時、リドルが吹き出すように笑った。

ローズは勿論の事、トレイとデュースも初めて見た。こんなふうに声を上げて笑うリドルを。

3人は一様に、笑い続けるリドルの方へ顔を向ける。

「ははっ。だって、君があまりにも簡単に騙されるものだから…。絶対にトレイの嘘なのに。

ネズミなんて食べないって、ボクは一度否定したのにね…っふふ」

必死で笑いを堪えようとするリドルだったが、込み上げて来る笑みを殺す事は全く出来ていなかった。

「あー…笑った…。ごめんね。盛大に笑ってしまって」

やっと落ち着いたリドルは、ローズに謝罪する。

『我慢なんてしなくても、堂々と笑ってくれたら良かったのに…』

彼女は少し悔しい気もしたが、それでもリドルがここまで楽しそうに笑ってくれた事の方が はるかに嬉しかった。

「…まぁ、リドルが笑うのも無理ないかもしれないな。

ローズはネズミを食べてみる とまで言ったんだから」

『ト、トレイ!!』

「トレイ先輩…どSなんですか実は」

「あははっ、3人とも、もうおやめよ!これ以上笑ったら、明日ボクは腹筋が筋肉痛になってしまう」

再び笑い出したリドルを中心にして、4人は笑いの波に飲まれていくのだった。
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