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暁の契りと桃色の在り処 ー紅ー
第1章 穏やかな昼 五色の誓い
はぁ…
はぁ、はぁ…
息が苦しい。
息が出来ない。
膝下まで浸かる川の水の冷たさが体温と感覚を奪う。
これは私が決めたこと。
『あの方の隣』じゃないなら、この世界に在り処はないから。
『あの方の隣』以外に帰る場所はないから。
『あの方』が他の誰かと笑う姿を見たら
闇に囚われてしまうから。
幸せな記憶が
この灰色の想いに負けないうちに
幸せな記憶だけを抱えて
泡のようにとけてしまおう。
もう、これしか
選べない。
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