第13章 学生編・初秋のBurlesque
「リハは屋内だけど明日の本番は屋外よ」
『えー!!!』
やだやだやだー、と駄々っ子の如く首を振る。この子は姫さんが居ないと本当にダメな子なんだから。
「文句言わない!ほらリハ会場はそこよ。朱音様も待ってるわ」
『あっかねぇぇえい♡』
「あ゙!ちょっと………ったく…」
「和音さん、最近ヤンヘラ扱い上手くなりましたよね」
「そう?」
ワタシの中じゃ一番扱いにくい子なんだけど。
※※※
『もう学院の敷地内には到着してるみたいなので多分そろそろ…』
とベースが時計を確認しながら喋ってる時だった。
-バァン-
『アカネー!アカネアカネアカネー!』
一同「………」
大きな音を立てて扉が開いたかと思うと小さい生物がベースに飛び付いて、それをベースが抱き留める。
『待ってたぜ。体調は問題ねぇか?』
『…うん♡アカネに抱き締めて貰えたから下のお口がびちゃびちゃで元気いっ「やめろ。ヤンヘラクソ女」っ痛~…叩く事無いでしょ!?バカシオン!』
一同(キャラ濃い…)
ベースもドラムも、ボーカルもキーボードも格好はラフであるが化粧とヘアセットはキッチリしてきている。
「皆待たせて御免ねぇ?」
(えっ…)
(空音って………)
(オカマだったの…?)
何人かは空音の素性にショックを受けているみたいだが。
池上先輩は…化粧はしているものの顔を隠す気は無いらしく、おデコ丸出しのオールバックで髪の毛を後ろに束ねていた。
「自己紹介とかした方が良いのかも知れないけどそれは時間が余ったら…で良いんだよね?」
「そうね。時間無いし、さっさと演奏始めちゃいましょ」
「あ、ちょっと良いですか池上先輩」
「あら?なぁに?」
「実はまだ皆に何も言ってなくて。先日のメンバーしか生演奏の事知らないんです」
やはり生演奏を依頼していたか。
「ドッキリも大概になさいな…」
「こう言うサプライズ的なもの、やってみたかったんです」
流石は天祥院くん。いい性格をしている。
→To Be Continued.