第4章 学生編・終夏のSound
それを見たマネージャーさんは絶望的な表情を浮かべながら更に頭を抱え深い溜息を吐いた。
「これは…?」
『月末に行われるNoGenderのライブチケット』
一同「!!!」
『関係者しか入れないVIP席。非売品だよ!これで侵入の件はチャラにして』
NoGenderの…ライブチケット…絶対に手に入らない、こんなレア度の高い物を恵んで下さるなんて…同じプロデューサーとして尊敬します…がチケット枚数は限られている。はたして私は見に行けるのだろうか。
「うん、良いよ。寧ろ詫びなきゃいけないはこっちの方だけど」
『え?どゆ事?』
『いいから帰るわよ。スケジュール詰まってるんだから!池ちゃ…じゃくて池上様が駐車場で待って下さってるわ』
『え?あのオカんま゙!?』
一同「?」
何かを言いかけたプロデューサーさんの口をマネージャーさんが塞いで扉まで引き摺る。
『では失礼致します』
※※※
NoGenderのプロデューサーと自称していた嬢ちゃんから貰ったライブのチケット。結局、誰が行くか行けるかの相談は後日の持ち越しになった。貰ったチケットは五枚。行けるのは五人。大方各ユニットのリーダーが行く事になりそうだが倍率は高い。
「ー…ー!」
『…ー……!』
ふと外から言い争ってる様な声が聞こえて廊下の窓を開けて外を見ると丁度、駐車場が見える場所で池上先輩とNoGenderのプロデューサーが言い争いをしていた。
「この小娘が!」
『うっさい黙れオカマ野郎!』
『あーもー分かったから続きは後でやって。面倒な事になってきたから皆で話し合………!』
くるり、とマネージャーの嬢ちゃんが振り返って目が合うが直ぐに視線を逸らされ二人を車に乗る様に促すと自らも助手席側に乗り込む。某エリート学校の生徒…確かあの学校は数百人…下手をすれば千人に一人しか行けない程の超難関。相当頭が良い…と言うよりかなりの切れ者な気がする。
「しかし何処かで見た気がするんじゃが…何処じゃったかのぅ…」
名前は桜音 智桜姫…姫と呼ばれていた。
エリート学校の生徒でNoGenderのマネージャー。
→To Be Continued.