第29章 学生編・中秋のNG HalloweenLive
「流石会長!ほら弓弦!お前もパスワード探すの手伝え!」
「かしこまりました」
「じゃあ衣更くんは視聴覚室の手配を任せていいかな?」
「分かりました」
「後は…」
険しい顔付きでパソコンに向かう桃李と弓弦。パスワードを探すのは結構苦労してそうだ。
「敬人は他の皆にも声掛けたりしてパスワードを探す要因を探して欲しいかな」
「本当に"皆で"見るんだな」
「準備を頑張ってる皆にちょっとした休憩をね」
※※※
「お、またSNSで誰かがパスワード見付けたって公表してんな」
『じゃあパスワード変えて、空音』
「はぁい…って本当に朱音様イイ性格してるわよねぇ」
簡単にライブ配信を見せない為にパスワードの変更を徹底するなんて、と空音が楽しそうにパソコンを弄る。そりゃライブ配信なんてこっちに益は無いし、わざわざチケットを買ってライブを見に来てくれるファンに悪いし。誰でも見れるライブ配信なんてしちゃうとNoGenderに傷が付きかねない。まぁどうせパンピーの集まりだから傷くらいでどうこうはならないけど皆の名誉は守らなきゃならないし。
勝手に某動画サイトを賑わせてる無名のバンドだから反感は多い。
「このやり方、正直世間から厳しい言葉貰うよね~」
『野次馬はお呼びじゃないしね。それにパスワードもこれだけコロコロ変えてもNoGenderのファンならパスワードの変更の法則に気付くと思うよ』
ファンには優しいね姫、とみいが揶揄う様に言うから誤魔化す様に水を飲む。
『俺達は別に芸能人じゃねぇ…が』
『「「「………」」」』
『俺達のパフォーマンスは誰でも彼でもタダで見物出来る程、安くはねぇ』
『「「「はい、男前~」」」』
※※※
一体どんな声のかけ方をしたのか視聴覚室には沢山の人達が集まる。僕達fine、Trickster、紅月、UNDEAD、Knights、Valkyrie、2wink、Ra*bits、流星隊、Switch、MaM。まぁ体育祭の時はあれだけ各々のレベルアップに励んでくれたんだ。普段どんなライブをするかは皆気になってる所だろうし。
「あ、ホームページの画面が通常に戻ってる」
「パスワードは締め切られたみたいだな」
パスワードが締め切られたのは十分前。