第27章 学生編・中秋のNoGender
結局、隠し撮りをした写真は椎名と現像しに行ってフィルムを店員に渡した所でNoGenderのグループSNSに"話があるからスタジオ集合"みたいな簡潔な文面が姫から届き、大急ぎでスタジオに向かったんだけど。
「犬猿の二人が一緒に来るとは珍しいなァ?」
「ちょっと実菜未大丈夫?具合悪そうだけど…」
具合悪くなるのは当然だっての。椎名の運転マジで荒いしビックも改造してるから乗り心地悪いし。姫もそこそこ運転は荒い時があるけど普段はちゃんと道路交通法守ってるし。まぁ無免許な時点でアウトだけど。だからこそ普段はちゃんと守ってお巡りさんの目に止まらない様にしてる。
『しーちゃん中々の運転だもんね』
「え!?そう?」
「道路交通法は守れよォ?折角取った免許取られるぞ」
「取られても冬休みに入ったら合宿で車の免許取るし~」
いや、馬鹿なのこの子。そうなったら免許取れなくなるんだって。とまぁ注意するゴトー先輩は見かけに寄らずとっても安全運転。社会人だからか池上さんとゴトー先輩は安全運転。乗ってる車は厳ついけど。
『無駄話はそこまでにして。時間が無いから手短に話すわ』
『「「「はーい」」」』
※※※
先程、零さんから受けた相談事、ライブ場所の提供と生演奏の件を伝えると池ちゃんゴトちゃん、しーちゃんは賛同してくれるけど…みいは不服そうに頬を膨らませる。
『いつ何処でそんな相談受けてたの…』
『ついさっきかな』
『いつからそんなに相談受ける程、親密になったの』
「「「うわ、ヤンヘラモード」」」
おっとぉ…ここまで重度なヤンヘラモードは久々に見るねぇ。丁度、皆と知り合った頃にこーゆー事があって暫くは落ち着いてたのに。
『何がそんなに不安なの?』
『あの人の時と同じ感覚がする…仲良くして欲しくない』
"あの人"の言葉に押し黙ってしまう。"あの人"も"同じ感覚"もみいの言ってる意味が分かるしアタシ自身も思い当たる節が無い訳じゃないから口を閉ざしてしまう。意外とみいの勘は蔑ろに出来ない。
『でも良く考えて。ビジネスとしては重要じゃない?』
『それは…分かってるけど…』
あくまでビジネス。箱がもっと良くなる為のビジネス。