第25章 学生編・中秋のBurlesque
「寧ろ居たら駄目だと思う!」
『ん~…まぁ確かにね。でもウチの高校は成績と数字が全てだから基準値上回ってたら自由なのよ』
人外に逸れなければね、と付け加える。先程のゴロツキはあぁ見えて成績の上位者らしい。
『自由と言っても喧嘩とか暴力はあまり好きじゃないから、そんな事件が起きない様にちょこっとアタシが束ねてるだけ』
「んんんんん…?こないだ喧嘩してた様な…」
と思い出すのはあの日の喫茶店で喋る前の事。
『あの件については寧ろ感謝して欲しいくらいなんだけど』
アイドルとしての名誉と容姿を守ったんだからと肩を竦めると綺麗な校舎とは反対方向に歩き出すからついて行く。おれもあまり人の事言えたものじゃないけど此奴も大概、変人だと思う。
『じゃ後は此処を通り抜ければ良いから。間違っても二度と迷い込まないでね』
「お前、変わってるな」
『レオ君もね………と、そろそろ午後の授業も終わりか』
部活はちゃんと出なきゃいけないから、とくるりと背を向ける。超一流のエリート学校にも不良はいるものなのか…あ、霊感(インスピレーション)沸いてきたぁ!
※※※
『ふぉぉおお…!レオタード最高です…』
カシャカシャと木の上に登って際限なくカメラのシャッターを切るヤンヘラ女に声をかける為に木を見上げるとパンツが見える。いや、ヤンヘラ女如きのパンツじゃ興奮しないけど。
「学校早退して何処行くかと思えば…姫さんにバレたら怒られるんじゃない?」
『珍しく新体操部に顔出すって言うからさぁ』
道着や袴も凛々しくて良いけどレオタードはエロくていい、なんて人の話も聞かずシャッターを切る。重大なミッションを遂行する、とか言うから付いて行けば姫さんの学校だし盗撮してるし。
『ん?あれ?』
「何?どうしたの?」
『誰かと電話してるっぽい』
そりゃするでしょ。姫さんは俺達みたいな根暗凡人と違って人気者だし。
『ありゃ…帰るっぽいな…部員に指示出してる』
もう少し写真に収めたかった、と木の上から飛び降りる。
『じゃ現像宜しく』
「えっ!?」
何処行くんだヤンヘラ女!
→To Be Continued.