第25章 学生編・中秋のBurlesque
「誰に電話かけんだ?」
「この紙に書いてある番号じゃ」
「!?」
ピラリと見せられた紙には漢字と英語…何処か別の言語も混じってそうな全く理解不能なメモ用紙。英数字どころか普通の数字すらも書いてない。
「何だこりゃ。ローマ字と漢字ばっかりじゃねぇか」
「何を抜かしておる。寧ろ数字ばかりで頭が痛いわぃ」
「はぁ?」
「0~9までの数字が沢山あるじゃろう」
言われて良く見ればoneとかtwoとかthreeって区切れがある気がするが読めないのもあるし漢字なんて陸(りく)とか捌(さばく)とか難しい漢字が並んでる。
「漢字はどっからどう見ても数字じゃねぇだろ」
「大字と呼ばれる難しい漢字が使われておる。例えばコレは"いち"」
「"いち"っつーと漢字横一文字だろ?」
「難しい漢字を使うとこうなるんじゃよ」
-キーンコーンカーンコーン-
「時間切れじゃな。続きは放課後に頼むとするかのぅ」
まるで暗号みたいだったが…誰がこんな手の込んだ事をしたんだ?つーか誰に電話かけようとしてるんだ?
※※※
『ん、ん~…』
昼休みの終了を報せるチャイムが聞こえて日除けに使ってた教科書を顔から退けると一匹の猫がアタシの顔をパンチする。
『ぃった…ご飯はさっきあげたでしょ』
と起き上がろうとするとお腹に温もりと重み。
『君達ねぇ…アタシはベットじゃないんだけど』
そう言ってみても人間の言葉が通じるハズも無く、お腹から退いてくれない猫達を見てもう一度横になる。まぁいっか。午後の授業は大した事無いし残りの学校の時間は部活だけ出よう。
「にゃー(バシッバシッ)」
『痛っ!何?何なの?』
「なぁー!!!(バシバシバシ)」
『痛い痛い!頼むからおっぱいは殴らないで?多分まだ成長期だから君達の力でもちょっと痛いんだよ…』
「にゃあ!(ベシッ)」
『もう本当に何なの…』
ご飯はお昼休み始まった時にあげたし…寝るなってか?授業受けろってか?猫って自由気ままじゃないの?こんなに真面目な動物だったの?
「にゃー」
『?』
制服の袖に噛み付いて引っ張ろうとする。退けって事かな?いやでも此処はいつものアタシのおサボりスポットだし。そこに勝手に猫達が群がって来ただけだし。