第24章 学生編・中秋のEnsemble
『脳筋ゴリラが卒業出来たのは意外だったけど』
「黙れヤンヘラ女」
「そ言えば下宮、僕のクラス明後日小テストなんだけど答え教えてよ」
そっちのクラスは先週終わったでしょ?、と言う身内会話。確か黄音くんと紫音くんは同じ学校の先輩後輩。今の会話からするに下宮くんも同じ学校。智桜姫ちゃんはエリート学校だが下宮くんと繋がりがあるから必然的に黄音くんと紫音くんは繋がる………となると池上先輩と朱音くんの繋がりがイマイチ分からない。
『え?私0点だったけど?』
一同「ぜっ!?」
「いや何で。お前、中間期末はそこそこ成績いいじゃん」
『だってカンペあるもん』
「カンペ…?まさか………ちょっと姫さん!下宮ばかりに甘過ぎない!?」
ふむ成程。その手があったか。外国語は苦手のようだが他の科目は我輩より頭良いだろうし今度からその手を使うか。
「姫ちゃん俺にもカンペちょうだい」
「おれにも!」
「影片、狡は良くないのだよ」
※※※
「じゃあワタシはこの子達を送って来るから」
『はーい。アタシ達は残って掃除とPVの仕上げしとくから表の施錠は宜しくね』
"皆、遅くまで有難う"と姫ちゃんがモップを持って俺達に手を振る。結局ハロウィンライブの事を少し話だけで意外と遅い時間になってた事に池上先輩が気付いて俺達を送ってくれるみたい。
どうせ明日は祝日だし兄者と姫ちゃんがどんな撮影したか気になるからPVの製作現場を最後まで見てみたい気もするけど。
「智桜姫ちゃん」
『何です?』
兄者が姫ちゃんを手招きして何かを耳打ちすると少し難しい顔をして考えんで受付に置いてあった紙に何かをメモをすると四つ折りくらいにして兄者に渡す。
「感謝するぞぃ」
「何そのメモ」
「ん?これは…『因みにそのメモ』?」
『ちょっとした暗号にしてるんで間違った解読すると大変な事になりますよ』
挑発じみた小悪魔っぽい微笑みが、やけに脳裏に焼き付いた。
→To Be Continued.