第20章 学生編・残暑のUNDEAD(幕間)
『やめて鬱陶しい。抱き着かないで気持ち悪い』
「ぅぐっ…そんな冷たくて暴力的な姫様はもっと好きっ」
と殴られてるのに喜ぶオカマを見て流石のUNDEADの皆もドン引いてるのがよく分かる。
『ってゆーか池上さんの姫じゃないから。私の姫だから』
「え?俺のじゃない?」
「軟弱野郎共は姫サンの好みとは程遠いから無理だろ」
「え!君みたいな凄く美人なエリートにも好みとかあるの?俺、それ是非とも知りたいなぁ」
とノリノリで乗り出してきたのはUNDEADのチャラい人。羽風薫だっけ。この人のノリ苦手だなぁ…見るからに女の子が好きって感じだし。
※※※
「ねぇどんな人が好みなの?」
「止さんか薫くん…失礼じゃろうて」
『私の!!!』
グイグイ行く薫くんを止めようとしたらNoGenderのプロデューサー、下宮くんだったか。下宮くんが智桜姫ちゃんを庇う様に割って入る。
『私の好みは朱音!文句ある!?』
「いや…えっと…無い、けど………」
凄い剣幕で言う下宮くんに流石の薫くんもタジタジになる。
「そう言えばベースとキーボードは一緒ではないのか?」
「朱音…さん、と藍音…さん、だっけか」
『いやいや、ここにはレントも…』
「黄音くんは彼でしょ?」
『「「「!?」」」』
上手く話題が逸れたが、またこの話題もあまり良くは無い気がする…なんて考えてたら薫くんがサラりと言ってのけて智桜姫ちゃん以外は目をひん剥く。
「体格も声も似てるし耳のピアスの数も同じだし、そもそもその腕のタトゥーが同じだし」
『ご名答。まぁ見れば分かるわな』
烏龍茶を飲みながら慌てる様子も無く答え合わせをする智桜姫ちゃんに他の四人は押し黙る。
「それは流石に俺様でも分かったぜ!んで朱音さんと藍音さんは?」
『あー…二人は恋人だからね!今頃お布団の中でイチャイチャラブラブちゅっちゅ「それは無かろぅて」えっ?』
「藍音くんは下宮くんじゃ無いかや?」
智桜姫ちゃん以外の全員が箸を落とした。
→To Be Continued.