第3章 学生編・終夏のOverture
「薫くん、アドニスくん」
二人にわんこを任せて生徒会室に行けば既に各ユニットのリーダーとプロデューサーの嬢ちゃんが集まっていた。
「遅かったね朔間くん」
「すまんのぅ…ウチのわんこが煩くてのぅ」
「早速だが説明をさせてもらうよ」
NoGenderのマネージャーが此方に到着するのはおおそよ一時間後。来客用の駐車場で待ち合わせ。接待に使うのは大手の芸能関係を接待する最上級の応接室。応接室の準備要員と出迎えて案内をする要員に別れるらしい。
「出迎え要員は朔間くんと蓮巳くん、月永くんに任せる。他は応接室の準備にあたってくれ」
こんな暑い日に出迎え要員になるとは。
「きっと懐かしい人にも会えるよ。くれぐれも失礼の無い様にね」
天祥院くんがここまで言うとは…そのマネージャーとやらは一体どんな人物なのだろう。同じ学生とは聞いているが…それに懐かしい人とは…これまた含みのある言い方をする。
※※※
「あら!今日はエラいわねぇ!ちゃんとブラウス着てるじゃない」
いつもはキャミソール上からブレザーなのに、と茶化す池ちゃんを睨み付ける。
「でも今から行く所は男所帯。ボタンは閉めなさい」
『閉まらないから無理でーす』
「こんの発育の暴力娘!!!」
『アタシだって自分がこんなに発育するなんて思ってなかったっての』
本当に。つい最近まではみいと体型殆ど同じだったのに急に身長も伸びてだいぶ発育してしまった。何がきっかけかは分からないけどもう時期少女で居られなくなる。
「自分の身体、もっと大切にしなさいよ」
『………』
運転に集中する池ちゃんをチラリと盗み見て助手席の背もたれを倒してアイマスクを装着する。
『着いたら起こして』
「どうせ気を使って寝ないくせに」
『眠たいのは確か』
向かう先は…夢ノ咲学院。
→To Be Continued.