第20章 学生編・残暑のUNDEAD(幕間)
最近ちょいちょいと小耳に挟むのはNoGenderのマネージャー、智桜姫ちゃんやNoGenderのプロデューサーと遭遇する、と言う話。
天祥院くんが率いるfineは体育祭の次の日に病院で出逢ったそうなのだが左腕を骨折していたそうな。
凛月達Knightsはどの様な成り行きかは詳しくは聞いてないがKnightsとしての仕事帰りに遭遇して一緒にお茶を引っ掛けたとか。
「………」
しかもその頃には自らギブスを粉砕する程に元気だったらしい。我輩が最後に智桜姫ちゃんと会ったのは二学期が始まったばかりの図書館。あれからもう二週間と少しは経過してる故に腕の骨折はその後だろう。骨折を二週間で治すなどとても人間とは思えない技。
そして斎宮くんからちょろっと聞いた話に寄るとNoGenderは暫くライブはしないそうな。どうやら朱音くんも手首を骨折してると言う話を聞いたらしい。
「ふーむ…」
一瞬だけ有り得ない仮想が生まれ直ぐに取っ払う。
智桜姫ちゃん=朱音くん、は無理があり過ぎる。同じくらいのタイミングで骨折は摩訶不思議。朱音くんの骨折は恐らく体育祭のライブ後くらいじゃろうし、もし朱音くんが智桜姫ちゃんであれば骨折を一週間そこそこで治した事になる。あまりにも人間業では無い。
そもそも性別が違う。
「どうしたんだ?朔間先輩」
「さあ?さっきからずっとこの調子で考え込んでやがる」
「朔間さ~ん、俺もう帰っていい?」
※※※
で。
どうしてこんな事になってるんだろうね。俺は男とデートする趣味は無いんだけどねぇ…どうせデートするなら女の子が良いんだけど。
「これからはてめぇの時間だろ!?シャキッとしろよ」
「とは言えまだ残暑が残っておるし夕方と言えど陽射しがキツいでのぅ…」
「頑張ってくれ朔間先輩。肉が待ってる」
と後輩くん達が急かせる様に朔間さんを引っ張る。
お地蔵さんの様に何かを考え込んでる朔間さんを見て後輩くん達が元気付けようと焼肉を提案した訳だけど…多分自分達が食べたいだけだよね。朔間さんも"まぁたまには良いかのぅ"とか言うから本当に二人が張り切っている。俺もまぁ…成り行きで同行。
-プップー-
一同「?」
あれ。何でクラクション鳴らされるんだろう。