第18章 学生編・残暑のValkyrie(幕間)
「だから秘密を守る協力者は多いにこした事あらへんと思うし…おれとお師さんで協力しますぅ」
「ワタシ…何て良い後輩を持ったのかしら…」
『みかたんは兎も角…普段から偉そうな斎宮がこんなに良い人だったなんて…』
態とらしく泣き真似をする下宮に無性に腹が立つ。
「下宮。君は僕を馬鹿にしてるだろう?」
『素直で良い子なみかたんと比べたらねぇ?ちょっとねぇ?』
「バラすつもりは無いがバラしたくなる程には腹立たしいのだよ」
『そうなれば私のダーリンが黙ってないから!』
…確かに。朱音なら殺りかねない。
※※※
Valkyrieの二人が箱を出てからワタシ達は再び話し合う。
「で、どーするよぅ。マジでオレ達のせいなら死ななきゃいけないレベルだぞこれ」
『もしそうだったとしても…姫は絶対に何も言わないよ。だから確かめる術も無い』
確かに。本当にあの子は個人的な肝心な事は何も話さないし大体片付いた後の事後報告だもの。
『私達がもっと気を回せてたら良かったんだけど…私達のせいだったにしても姫は絶対に私達のせいにはしない。笑って"すってんころりん"としか言わない』
「「「………」」」
『だから完治するまでは私達が姫をサポートしよう』
サポートか…サポートって何したらいいのかしら。姫様って本当に完璧人間って言っても過言で無いくらい一人で何でもやってのけちゃうし。苦手なモノとか事も分からないし。
「取り敢えず単車は運転出来ねぇだろうし学校の送り迎えしてやんのは?」
「えー?ゴトー先輩のあのデコトラで?それとも改造しまくったスポーツカーで?どっちにしろゴトー先輩の車系はやめといた方がいいって、ダサい」
『それもそうね』
「んだとぉ?可愛くねぇ後輩共だなオイ」
『「いててててて」』
ぐりぐりと小僧小娘の頭を掴む。
「じゃあその役目はワタシかしら?」
『「「アンタの高級車も悪目立ちするって」」』
デコトラや改造しまくりのスポーツカーよりマシだと思うのに。まぁ姫様の助けになる様な事、考えておこう。
→To Be Continued.