第7章 天喰くんのお部屋
〜1部屋目 髪を乾かす〜
リルルside
今日は、環先輩の家にお泊まりすることになった。
私も先輩も、お風呂を済ませたところで部屋に入ると先輩は、スマホをいじっていた。
髪がぺたってなってる先輩は初めてで思わず言ってしまった。
『…かっこいいっ///』
「…っ!?」
声が聞こえたみたいで、こっちを向く環先輩。
「リルル、今、なんて…?」
『え、あ、えっと…環先輩、環先輩!』
恥ずかしくて、話をそらそうと先輩の名前を2回呼んで、ぐぐいっと顔を近づける。
「二回言わなくても聞こえる、…それにか、顔近い…//」
なんとかごまかせたようで、困ったような顔をする環先輩。
カッコ良かったり、可愛かったり、ほんとずるい。
『髪、乾かしてみたいんですけど、ダメですか?』
「ダメじゃ、ないけど、俺のでいいのか? 」
『環先輩のがいいんですっ!』
「わ、わかった…」
そう言うと環先輩はくるっと後ろを向いてくれる。
『じゃあ、乾かしますね!』
「…………」
乾かしてる間ずっと、静かな先輩。
あっという間に終わったけど微動だにしない。
『…環先輩?』
「……リルルにしてもらうなんて幸せだなと思って」
『そんな大袈裟ですよっ』
「…俺もリルルの髪を乾かしてもいいだろうか?」
1部屋目 髪を乾かす END