第2章 切島くんの屋根裏
〜3部屋目 お酒の力〜
リルルside
ガチャガチャと玄関の方から物音がして、慌てて向かうとフラフラな状態の鋭児郎くんがそこにいた。
「…た、ただいまっ…」
『おかえりなさい、鋭児郎くんって…きゃっ⁉︎///』
玄関で辛そうな顔をしてる鋭児郎くんを支えると急に抱きついてきた。
『…ど、どうしたのっ?///』
「…なんか、すげーいい匂いがするな…//」
『…そう? お風呂、…上がり、だからかな?///』
首元をすんすんと匂いを嗅がれて、くすぐったさと恥ずかしさで顔が赤くなる。
「…帰り、遅くなってごめんな…寂しかったよな?」
『…えっ? う、うん…でも連絡くれてたし、大丈夫だったけど…?』
「…そう、なのか…? 俺はすげー寂しかったんだけど…っ」
ぎゅーぎゅーと抱きしめながら、珍しくしゅんとした声を出す鋭児郎くん。
『鋭児郎くん、えっと、リビング行こ…?』
「……まだ、このまま…」
腰に回された手が左手は上に、右手はお尻のあたりに移動されて、びくっと身体が震える。
『…え、いじろ、くん?///』
「…ここでシちゃ、ダメ…か?」
『…えっ⁉︎/// ここ、玄関だけどっ…』
「辛くないように…するから…頼むっ…//」
鋭児郎くんが顔を上げて、私の目を覗き込むようにして見る。
お酒のせいか頬がほんのり赤くて熱っぽい視線で見つめられる。
『…う、うんっ…わかったっ///』
「…ありがとなっ」
そんな目で見つめられたら断ることなんて出来ない。
鋭児郎くんのお願いならどんなことでも聞いちゃうんだけど、そんなことを思ってると近づいてくる鋭児郎くんの唇に私も重ねた。
『…んっ///』
お酒の味がする。
私はお酒に強くないから長くキスをしてたら酔うかもしれない。
鋭児郎くんの左手が私の後頭部へと回される。
右手はゆるゆるとお尻を撫でていて、正直な私の身体はぴくぴくと震える。