第2章 切島くんの屋根裏
〜1部屋目 雨〜
リルルside
「曇ってきたな…」
『また、昨日みたいに降ってくるかもね…』
私達は学校から帰る途中、空を眺めながら帰っていた。
たわいもない会話をしていたら額にぽつっと水滴が落ちる。
『…あ、今濡れた気がする』
「ほんとか? 急いで帰るぞ!」
『…うんっ!』
自然と手を繋いで、駆け足で帰るけど瞬く間に雨が次から次へと降ってきた。
『…うわっ、すごっ…』
「これじゃ、濡れちまう…いったんそこで雨宿りするぞ!」
そう言って鋭児郎くんは屋根のあるバス停に駆け込んだ。
「なんとか、逃げ込めたな…」
『…屋根あって良かったね…』
ハンカチで軽く顔とか拭きながら様子を眺める。
バケツがひっくり返ったような雨ってよく言うけど、まさにこれのことかと、目の前の光景を見て思った。
ふと視線を感じて鋭児郎くんを見る。
『…ん? どうかしたの??』
「…っ/// その、透けてるんだけど…」
『…えっ?』
顔が赤くなってる鋭児郎くんがそわそわしながら指摘した箇所を見ると、確かにうっすらと下着の色と形がわかるくらい透けていた。
『…っ⁉︎/// 』
「…わ、わりぃっ///…見るつもりはなかったんだけどっ」
『…あ、謝ることないよっ/// ごめんねっ//』
慌てて両手で隠しながら、恥ずかしくて背中を向けた。
ー なんでよりによって、黒の下着、着てきちゃったんだろ…
これじゃ帰れないよ…雨も止みそうにないし
「…お、俺の家、来るか…?」
『…えっ?』
「いや、変な意味じゃなくてっ// …このままじゃ風邪引くし、そんな格好じゃ、帰れないだろっ///」
『…いいの?』
「いいも何も、それしかねぇだろ?」
それまではこれ着てろって、ジャージの上着をかけられる。
『…ありがとっ//』
「…おうっ// とりあえず走んぞ!」