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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第4章 邪魔者



昨日、クラブチーム練習に参加してる翔から
休みが取れたと連絡があった。

LINEには
『飢えた狼の気分が今ならわかるよ…。
明日一日中、たっぷり智で
栄養補給させてもらうよ♡♡♡』

なんて、ちょっと…いやいやかなり
意味深な言葉を送ってきた。

(えええええっ~~~
一日中だって…
ななななな何を補給するの~?
さとちゃん困っちゃう~!!)

って、顔ではニヤニヤしながら…
心の中で焦りまくりながら、
わけもなく涙が出そうになってしまった。

この10日あまり、智も少しは学習したのだ。
サッカーの雑誌を買いまくって
翔へ練習に参加しているクラブチームの
情報を集めていた。

翔への評価はかなり高いらしく、
この夏いっぱいチームの練習に参加して
その結果次第では、休み明けに契約って話は
どうやらホントらしい。

こんな大事なことを『合宿がある』
の一言ですませてしまった翔をらしいと思う。

その上、マジで勝負の夏なのだから、
本当は智に逢っている時間も
余裕もないはずなのに、翔は毎日朝晩のLINEと
2~3分でも時間を見つけては電話をしてくる。

『智は、俺のエネルギーの素だから』
と、嬉しい言葉を言ってくれる。

だから、自分も我が儘を言わないで
翔のために足を引っ張らないように、
日蔭で生きようと思ったのだ。

ーーーなんて健気な心は、
5分ほど遅れて到着した待ち合わせの駅前で
周囲から頭一つ飛び出した翔を見つけた瞬間、
きれいさっぱり吹き飛んでいった。

翔は近づいてくる智にも気づかず
見覚えの細身の男と話し込んでいった。

伊野尾慧だ!!

(な…何でそいつがいっしょにいるんだよぉ~!?)

智は茫然とした。
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