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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第12章 番外編ある日の2人




「暇なんだよなぁ…」

「………………」

「サッカーやりたいなぁ……」

「………………」

「早く帰って、犯りたいなぁ……」

「!!!!!!!!!!!!!!!」


人影が二つしかない職員室。
デスクの電灯だけがやけに煌々と明るい。

そんな中、手持ちぶさたな様子で
体育教師の翔がブツブツと呟いてたい。

「なぁ…智…」

「あーーーーー!!!!!!

うるさいっ!!!
翔が暇でも、俺は忙しいんだよ!!!!」

机に向かって何か作業をしていた美術教師の智が
顔を上げる。

「忙しい?」

翔はつまらなそうな顔をして
智の机上を覗き込んだ。

そこには今学期の提出課題である
デザイン画の束が置かれている。
採点用紙に何項目かの採点記入欄があり
赤ペンで丁寧に『83』とか『19』とか点数が
記入されていた。



「見てわかるだろう?。
俺は、今週中に三年生全員分の採点をして
学年主任の城島先生に提出しないと
いけないんだよ…」

だから今日は忙しいんだ、
と智は付け加えた。

話しながらもその手は止まらず、
一定のリズムでチェックポイントに
丸を付けていく。


「ふーん。…つまり、智は忙しくて
俺は暇だって……。
そういうことだ……。」


翔の声のトーンが低くなる。

「まぁ、そう言うことだよ…………。
あのさぁ~暇ならパソコン入力手伝ってよ
俺苦手だからさー、」

「智先生、それは自分でやらないと、
覚えませんよ♡」

「………わ、解ってるよそんなこと……!!

じゃ、何かやりたい事でも見つけるか……

あっ先に帰ってもいいよ……。」

「それは、嫌だね。
終わるまで待ってるよ。」

「あっそ、じゃ好きにしなよ。」

智は迷惑そうに言い放つと、
再び視線を机上へ戻した。



―――背後の翔が舌なめずりしていることも
気付かずに。





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