第11章 最後の虚言
そして、そのまま頬に、首筋に、乳首に
小さくキスを落としながら……
再び進入を開始する。
キズをつけないようにゆっくりと
それ以上に翔自身があまりの久しぶりの恋人の
感触を隅から隅まで余すことなく
味わい尽くすために……。
「あっ……やあっ……あっ、ああっ……!!
もう……焦らさないでえっーーーー!!!!」
智は首を振ってねだってくる。
たとえ痛みが伴っても……
愛する男のモノが早く欲しい。
早く最奥で翔を感じたい。
身の内を隙間が無くなるほどいっぱいに
埋め尽くして欲しい。
内壁を擦り上げて……
掻き回して……
熱いほとばしりで濡らして欲しい。
それ以上に、この飢えと渇きを癒す方法なんて
ないのだから……
腰を激しく揺らし、秘孔を蠢かせ
さらなる抽挿をねだる智の上気した躰は
汗を弾きながら妖しくきらめいていく。
「翔、翔ぅ……早く……来てぇーーー!!」
一回りも細くなりながらも
心が満たされるにつれて、
誰もが惑わされてしまうほどの妖艶さと
可愛らしさが取りも戻されていく智を
翔は喜びに震えながら見つめ続けていた。
この生き物はいったい何なんだろう?
愛を栄養源にして……
最後の一滴まで吸いつくす……
妖精のような可愛い生き物……
その姿に魅入られたら最後、
他のどんなものでも満足できなくなってしまう。
この人のすべてを手に入れたい。
何もかも自分のものにしたい。
俺は、きっとこの可愛らしい人を
手に入れる為なら、
命を懸けてもかまわないんだろう。
生気の最後の一滴までも捧げて尽くしたい。