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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第11章 最後の虚言



智の喉が、快感とも痛みともしれない悲鳴に
震えていた。

押し入ってくるモノに歓喜の蠕動で
呑み込みながらも、どこか強張ったような
抵抗感を残しているのは、
離れていた間ソコが誰もいけ入れていない
証拠だった。

「誰ともしていなかったんだ……?」

半分ほど入ったところで
翔は動きを止めて
智にとって驚きの問を口にしてしまった。

この1ヶ月、いくら一夜の事情を嫌う智でも
寂しさで押し潰されて
誰でもいいから慰めて……
と、誰かを誘ったとしてもしかたがない……

それも含めて全部自分のせいだと……
諦めていた。

だれど、慣れているはずの智のこの狭さが
痛いほどの翔自身を締め付けている。

それは、操の証以外の何だというのか?

「ば……バカ……!!!
お前意外の誰とっーーーー!!!」

と、責める声にも濡れて艶めきがあり
以前の智にすっかり戻っていた。

「玩具を使って、自分でしてるかと……」

「バカっ!!ヘタレ!!!
お…俺は……そんな悪趣味なんかじゃないし……
そんなこと恥ずかしくて……できるかっ……!!!!!」

ゲイは快楽のみを求めている……
なんて……そんな認識は、
ゲイと恋したことのない人間の言い分だろう。

まぁ…少なくとも智は、だだの快楽を得るため
だけの行為なんか好きじゃない。

過去の失恋のたびに、気安い相手に慰めを
求めたことは確かにあったが……
辛さを忘れさせてくれるのは
ほんの一瞬の絶頂の極みにいる時だけ……
後に残るのは虚しさと、
自分へのふがいなさを感じ……

次の日以降後悔の念で落ち込んでしまう……。

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