第36章 純白の羨望 【伊達政宗】R18
信長 「ほう、興味深い。見せてみろ」
広間の皆さんから少し離れた所に移動し、打ち掛けを脱いで待者に預ける。
一体何が始まるのかと、興味深く注目している武将たち。
「では」
私はぽいっと毬を宙に投げると、少し助走を付け、飛び上がる。
背を反らせ、腕を振り、思い切り遠くの床に打ち込んだ。
アタックを決める時のように。
ヒュン、パチンッッ
畳に毬がぶつかり、乾いた音がする。
秀吉 「なっっ!!!!」
信長 「ほう、見事だ莉乃」
光秀 「このように面白い物が見られるとは。
今日は実に愉快なことが続くな。」
家康は口も目も大きく開けて驚いた顔をし、固まっている。
三成君はいつもの笑顔で、パチパチと拍手をしていた。
秀吉 「この力で、あの女と政宗を打ったのか・・・・・・」
秀吉さんは自分の頬をおさえながら、痛そうな顔をしている。
政宗 「だろ・・・・・・」
光秀 「まぁ、一件落着だな。本当に・・・面白い小娘だ」
この乱世に飛ばされてきて三ヶ月。
右も左も分からない世の中だし、早速こんな事件に巻き込まれてしまった。
この時代の姫は、こんな風じゃないのかもしれない。
けれど先の世から来た私には、私なりの正義の貫き方がある。
どんな時代にいたって、私は私なんだから。
夜が更けていく中・・・
体重を戻すべく、というのは表面上の理由にして。
私は美味しいお酒と食事を楽しんでた。
空には大きな満月が昇っている。
500年後と変わらない、素敵な晩だった。
_純白の羨望 別館へと続く_