第5章 梔子の嫉妬 ~別館~ 【徳川家康】
____後日、軍議にて
「莉乃様!! やっとお出ましになりましたね!
またお会いできて嬉しいです!」
嬉しそうに莉乃に近づく三成。
「ちょっと三成、近い。離れろよ。」
「おう、莉乃!元気になったか?」
どさくさにまぎれて、頬に手を滑らせる政宗さん。
「ちょっと政宗さん、触らないで下さい。」
「小娘、ようやく軍議に復帰か。
今日も書庫に行くなら付き合うぞ?」
「ちょっと秀光さん、書庫は俺と行くんで。
誘わないでもらっていいですか」
この家康の変わりように、三人は笑いを噛み殺すのに必死だった。
「して、家康。莉乃を診察したのか?
報告がなかったが。」
途端、顔を赤く染める莉乃と家康。
「ほう、家康貴様、斬られたいようだな。」
三成だけが、このやりとりに首をかしげたのだった。
~完~