第35章 千歳の誓約 前編 【織田信長】R18
夏も盛りにさしかかる、文月の夜更け。
銀色の月が、天主の褥を照らしている。
そこには着物の袷を大きくはだけさせ、白く柔らかな乳房を剥き出しにされている莉乃のあられもない姿があった。
その先端は淡い紅色で、荒い呼吸と共に上下している。
指でなぞる度に、甘く声を上げる莉乃。
軽く触れただけで固く尖るそこを指先でそっとつまみ、次はどのような声が上がるか興味深く見ている。
どこを触れば、どんな反応をするのか。
莉乃のそれを一つ一つ暴き、確かめてゆく。
「ここを、こうされるのも好きか」
びくんと躯を跳ねさせ、「んっ…んっっ」と唇の隙間から声が漏れ出てしまうその様を見ていると、
己の中心にある塊が熱を持ち、疼痛(とうつう)が湧き上がってきた。
痛いほど立ち上がるなど・・・元服頃の童か。
ここ何年も感じていない感覚だった。
莉乃と身体を重ねるようになってからの、己の変化に驚いている。
変化、ではないのか。
元々持ち合わせていた欲求が、莉乃によって封印を解かれたのかもしれない。
誰かを愛するなど。
底なしに、心も体も求めてしまうなど。
___そして、同じように・・・
愛され求められたい、などと。
天下統一を目指す俺には必要の無い感情だった。
莉乃と出会うまでは。
己がこんなにも欲深かかったのかと苦笑いしつつも、これは全て莉乃がそうさせるのだから仕方がないと早々に律するのを諦め、
今夜も莉乃を独占する悦びと快楽に墜ちていった。