第25章 青葉の光明 【伊達政宗】 R18
三成 「莉乃様の白無垢姿…さぞやお綺麗でしょうね。
私のために着てくださらないのが、とても残念です」
家康 「えっ?」
政宗 「お前…案外言う奴なんだな」
光秀 「安心しろ、三成。
今この場にいる全員がそう思っている」
からかうような目をちらりと向けてきた。
そして政宗に
光秀 「せいぜい、信長様に斬られぬようがんばれ。
莉乃にはいざという時のために鉄砲を進呈しておこう。
なぁに遠慮するな、婚姻の祝いだ。
前に教えたろう? いざという時は、ためらず撃て。」
家康 「光秀さんが鉄砲を送るなら、俺は弓を。
浮気現場を見つけたら、遠くから射ればいい。
なんならまた稽古つけてあげてもいいけど。」
三成 「それならば、私からは莉乃様に効果的な戦術の組み方をお教えしましょう。
政宗様を精神的に追い詰め___」
政宗 「お前らいい加減にしろっ!!
物騒過ぎんだよ、目が笑ってねぇじゃねーか!!」
信長 「うるさい奴らだ」
扇で仰ぎながらも、信長様は口元に笑みをたたえて聞いていた。
武将たちはああいうけれど、皆が祝福してくれているのはよく分かっていた。
心に温かいものが広がって、目がずっとうるみっぱなしだ。
政宗 「白無垢、か…
莉乃の腹が目立たないうちに着せてやらなきゃな」
この一言が広間の雰囲気を大きく変える。
信長 「貴様、先ほどの許可は撤回だ」
秀吉 「政宗てめぇ、もうそんなことになってんのか!
白々しく許可求めやがって!!」
家康 「え?莉乃、拒んでるんじゃないの?」
「ちょっと、やめてよ政宗!! 秀吉さん違うの!
家康まで何言ってるの!?
信長様、まだです! まだですから!!!」
三成 「莉乃様にややこが…ややこが…」
こうして、泣いて笑った軍議は私の一生の宝物になった。
しとしとと長雨が続く水無月の安土城。
季節とは裏腹に、私の心は晴れ晴れとしてこれから迎える新しい生活に胸躍らせていた、愛する夫と共に。
青葉の光明 __完__