第22章 猛将の憂鬱 ~別館~【織田信長】R18
部屋に一つゆらめく蝋(ろう)の光が、障子に人の影を映し出している。
___映っていたのはひと組の男女。
組み敷かれた女に、覆いかぶさる男の影。
結合しては離れていくその腰の動きに合わせ女の背中がしなり、褥との間に空間をつくる。
中から漏れるのは、何かを我慢するような女の甘い吐息と、囁(ささや)く男の低い声。
「貴様の、声を 、聞けぬのは、つまらん」
「わたしの、部屋では、んっ、声は、出せないと、んあっっ、、」
『早くしないで』
と目を潤ませながら乞う莉乃の望みに応え、信長はゆっくりと、しかし奥深くまで…
腰を沈ませては引く律動を繰り返していた。
理由を聞けば、早く動かれると自制できなくなり…
声が漏れ出てしまうというなんとも愛らしい理屈だった。
莉乃の望みを聞いてやる。
___今はまだ。