第19章 傾国の紅粉 【徳川家康 編】 R18
「家康お前…
莉乃に変なことしたら、、、光秀の銃で撃つからな」
「今のうちから手入れをしておこう」
「変な事ってなんですか。二人共物騒すぎですよ。
じゃ、俺はこれで失礼します」
天主の襖を閉めた後…
中から「家康め!!」という秀吉さんの声が聞こえた。
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こんな経緯があったことは莉乃には内緒だけれど。
変な事、なんてするはずがない。
あの夜以降…
俺たちは何度も肌を重ねた。
今まで抑えていた想いが溢れ出ているかのように、二人きりになれば触れ合う手が止まらなかった。
こんなに誰かを求めたことなど、今まで一度もない。
「家康、何考えてるの?」
「確証、のこと」
「え?」
「前に言ってたでしょ『確証が持てない』って」
「うん、でももうそれは大丈夫だよ」
「俺が、大丈夫じゃない。
ずっと、永遠に、莉乃が俺のだって。
どこにもいかないって、確証がほしい」
「家康…不安??」
「うん、不安。
だから、、、 俺と結婚して。
誰のものでもない、俺だけの莉乃になって」
___あの時、天主で。
秀吉さんが入ってくる前に信長様に報告した。
莉乃に婚姻の申し込みをしたいと思っていること。
もしも了承を取れたら…
500年後から来た出生が不確かな莉乃のため、織田家から徳川家に嫁がせて欲しいこと。
それだけの覚悟で、旅行に連れて行こうとしていること。
全てひっくるめて、信長様は了承してくれた。
あとは、莉乃本人の、だけだった。___
「莉乃?」
「ふ、ふつつかものですが、よろしくお願いします」
莉乃は泣いていた。
それに、笑っていた。とても美しい笑顔で。
日ノ本一麗しい姫様は、俺だけの、妻になる。
確証を得た俺は…
永遠を約束するように莉乃に深い口付けを落とした。
_家康編 完_