第19章 傾国の紅粉 【徳川家康 編】 R18
「分かった」
そう言うと、緩く握られていた手の上に俺が手を重ね、上下に扱(しご)き始めた。
俺が動かしているのに、包んでいるのは莉乃の小さな柔らかい手。
莉乃は俺の反応をじっと見つめてくる。
さっき、俺がしていたように。
艶々の目で見つめられ、下は握られて動かされるという状況で…
駆け上がってくる吐精感。
「も、もういいよ莉乃…」
呼吸が乱れ、このままだと終わってしまいそうになり、包んでいた手を止める。
「続きを…しよう。 莉乃をもっと・・・」
次はいよいよ莉乃の中に指を…
そう思い、息も絶え絶えで指をはわせたその瞬間。
「待って。」
手首を取られて、止められた。
「私の中に入る一番最初は… 家康自身がいい。」
「へ?」
思わず変な声が出てしまった。
「莉乃…さすがにそれは…」
「家康が、、、いい。」
まっすぐに見つめられ、返す言葉がなかった。
医者としても、それには不安がある。
もっとよくほぐしてから… 受け入れる状態を作ってから…
そうでないと、莉乃自身が辛いのだから。
「家康が…いいの。」
もう一度言われ、俺も覚悟を決めた。
頑固な莉乃は、こうと決めたら動かないから…
「分かった。確認だけ、させて」
そう言って、入口に指を沿わせる。
先程果てたせいか、ぬるりとして露はたたえていた。
小さく「んんっ」という声がする。
褥に横になった莉乃の足の間に割って入り、お互いの胸がつくように体を倒した。
「莉乃、俺につかまってて」
莉乃の腕が首に回され、上半身がぴったりと重なった。
鼻先にチュっと口付けし、固くなったそれを入口へ向ける。
「力、抜いて」