第16章 傾国の紅粉 ~基本ルート~
___確かに私は酔っていた、先程までは。
しこたま飲んだ、というのは否定しない。
出されたお酒は日本全国から献上された選りすぐりの銘酒で、味も飲みやすさも逸品のものばかりだ。
特別な宴だからと政宗が腕によりをかけて作ってくれた品々、そして銘酒が合わされば…
進まないはずがない。
さらに、次から次へと酌をされる…
というトリプルアタックのおかげで、私は完全に出来上がってしまっていた。
___そして、今……
湯浴みを終えた私はだんだんと酔いが覚め、
宴でしてしまった『爆弾発言』の結果と対峙しようとしている。
心臓は鋼のように打ち、今にも障子が開くのではないかと緊張がピークに達していた。
その『爆弾発言』を聞いた彼がどう思ったかは分からないけれど…
とにかく、彼もまた湯浴みへと向かった。
「後で莉乃の部屋に行く」と言い残して……
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