第2章 ②不思議ブレスレットで…【尾形に激写スナイパーしてもらった】
「うわー怖いわー、尾形さん怖いわー」
和栗はそう言うと、部屋の中へ入っていく。
尾形はいつものように、ベランダの隅に立て掛けてある、キャンプなどで使う椅子を日向側に持ってきた。
今日は温かい。
フットレストを広げ、ゆったりと座ると目を閉じた。
ルリビタキの調子づいた声も、今は心地良い。
しばらくしてドアの開く音と、服の擦れる音がして目を開ける。
和栗が目の前で、尾形の服を干していた。
無防備な後ろ姿を、目で舐め回してからズボンを足で触ると、和栗は少し跳ねた。
「わっ!ちょっ!!セクハラー!」
「客人にケツを向けるなよ」
「だからって蹴ることないでしょー?!」
「揉んだつもりだったが」
「もっ...?!」
真っ赤になった和栗はそれ以上は喋らず、反対向きになって黙々と洗濯物を干し始めた。
「干し終わったよー」
ウトウトしている尾形の膝の上に乗ると、そのまま寄りかかった。
「なんだ」
「乾くまで」
「...襲うぞ」
「だ、だめ!ただ、こうやってのんびりしたいのー!」
尾形は和栗を後ろから抱きしめながら、どうやって事を運べば承知してくれるかを考えだした。
「上等兵殿、何か良からぬ事をお考えではあるまいな」
「いや....」
しかしズボン越しの感触は、誤魔化しようもない本心だった。
和栗はそれに気づかぬフリをして、他の話を切り出す。
「る、ルリビタキってさ...やっぱアシリパさんは食べるのかな」
「羽をむしればただの鳥だからな。俺はお前を喰いたいが」
「ちょっ何なのさっきから?!溜まってんの?!」
「...あとは、お前のあられもない姿の写真でも、もらっていくか」
「何それ?!撮らないよ?!撮らないかんね?!」
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