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【金カム】黄金スナック【短編集】

第6章 心が迷うたび、君の元へ。【月島】


「はい、今、月島さん達がシールになってるんです。ウエハースって言うお菓子が入ってて・・・」

それを袋から取り出して見せると、流石に驚いたのか、彼は何度か瞬きした。

「はい、一枚あげます。チョコ、食べれます?」

「そんな高級そうな物をもらって良いのか?」

「大丈夫ですよ、今は誰でも買えるようになりましたから。」

戸惑いながらも彼は受け取る。

「お礼の代わりは、させて下さい。お仕事に甘い物って案外大切なんですよ」

「一理あるな。では、ありがたく頂こう」

月島は無骨な手で薄いウエハースも持ち、大きな口で半分バリっと一気にいったのが可愛く思えた。
顔から見るに、美味しいらしい。
無言でウンウンと首を縦に振っていた。

「シール何かなー、白石な気がするー、うふふ」

月島が食べていた袋を開けると、キラキラの白石シールが入っていた。

「ほんとに白石だー!」

和栗はクスクス笑う。
だいぶ気持ちが落ち着いてきたようで、月島は内心安堵した。

「私は何かなー、月島さんが良いなぁ」

「そう思い通りにはいかんだろう」

自分の袋を開けると、さっきよりも光沢がすごい。

「っえ、うそっ、嘘!?まさか・・・」

ウエハースの袋裏を確認すると、歓喜の表情になった。

「すごーい!初めて買ったのにシークレット!神引きでは!?」

月島はほんの少し口元を緩め、「・・・運が味方したな」と言う。

「そうかも。月島さんじゃなかったけど、でも嬉しい!
 あ、あの、あと今日帰り道で久しぶりにアオダイショウにも会ったんです。
 綺麗な光沢の透明感を纏った緑色で、私の目の前をするするーって
 嬉しかったなぁ」

「・・・蛇か」

「占いとかで、吉の意味だったりしないんですかね?」

月島は少しだけ空を見上げる。

「昔から吉兆と言う者もいる。だけどな、1番確かなのはーーそれを見てあなたが笑えたことだ。それで十分だろう」

「・・・・はいっ」

苦しい出来事は消えないけれど、「今日は世界が全部敵だったわけじゃない」と思える材料がある一日だった。
そう気づかせてくれるのは、いつも大好きな月島さんだ。

【END】
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