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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第79章 新命


次の日の朝

皆で一緒に朝餉を頂くために、信長様と連れ立って広間へと向かう。

(ね、眠れなかった、ちっとも……)

生々しい夢のせいで、すっかり目が冴えてしまった私は、体調を心配して優しく抱き締めてくれる信長様の腕の中で、申し訳なくも一睡も出来ずに朝を迎えてしまったのだった。

寝不足に加えて、今朝は、いつもの具合の悪さも相まってか、少し気分が悪かった。

(うーっ、気持ち悪いっ…朝餉、どうしよう…)

気分の悪さを信長様に気取られないように振る舞いながらも、広間に向かう私の足取りは重かった。

このまま平静を装って、皆と一緒に朝餉の膳を囲む自信がなくなってきて、何とかしなくては、と焦っているうちに広間の入口が見えてきて…………


「朱里、おはよ」
「おはよう、朱里。昨日は遅くまで邪魔したな」

「っ…家康、と…光秀さんっ…お、おはようございます…」


広間の入口で、家康と光秀さんと偶然一緒になって……胸の鼓動が煩く騒ぐ。

特に光秀さんだ……ニヤリと意味深に口の端を緩める姿に、ドキリと激しく動揺してしまう。

(っ…やだっ、光秀さん見てると…昨日の夢…思い出しちゃうよ…)

三人での乱れた交わりが思い起こされて、恥ずかしさから光秀さんの顔をまともに見れなかった。


「朱里、あんた…大丈夫?顔色、悪いよ?」

家康が怪訝な表情で私の顔を覗き込む。
いつの間にか、信長様と光秀さんも私のことを見ている。


「だ、大丈夫っ…あ〜、今日の朝餉、何かなぁ?楽しみだねぇ…っうっ…」

(やだっ…気持ち悪っ…)

広間の入口に勢いよく足を踏み入れた途端、中から漂ってくる食べ物の匂いに、胃の腑が拒否反応を起こしたようだ。

ご飯、味噌汁、焼き魚……
いつもなら食欲を唆るはずの美味しそうな匂いを嗅いだ瞬間、猛烈な吐き気に襲われた私は、その場を取り繕う余裕も失っていた。

強烈な吐き気とともに、頭の中もぼんやりとして、俄かに足元が覚束なくなる。

地面がグラグラと揺れているような、不安定な感覚に陥ってしまい、耐えるようにきつく目を閉じた。




「っ…朱里っ!」


焦ったような信長様の声を遠くに聞きながら、私はその場で足元から崩れるようにして、意識を失っていった。




 
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