第78章 禁じられた遊び
「大丈夫か?貴様、えらく顔が赤いが… 今宵は酒も飲んでおらんというのに……具合でも悪いのか?」
心配そうに顔を覗き込んでくる信長様と、間近で目が合ってしまい恥ずかしくて目を逸らしてしまう。
「っ……やっ…大丈夫です…」
(う〜、だめっ…思い出しちゃう…さ、三人であんなこと…)
「おい、朱里っ…」
「ご、ごめんなさい…許してっ…」
「は?」
(はぁ…本当に、夢…だったんだよね…っ…でも、こんなに…)
身体が熱い。
まるで行為後のように火照った身体の熱が生々しくて、何となく下腹部もじゅくじゅくと疼いているように感じてしまう。
(っ…何であんな夢見ちゃったんだろう…私ったら…恥ずかしい)
信長様以外の殿方と致すことなど、考えたことも望んだこともないというのに…ましてや、光秀さんとなんて……考えられない。
現実的に考えても、三人で致すなど、信長様がお許しになるはずがない……絶対にあり得ない。
(夢の中とはいえ、いつにも増して意地悪だったな……夜の信長様)
「………朱里っ」
「ぇ…ぁっ…」
恥ずかしさから俯いていた私を強引に引き寄せた信長様は、腕の中にすっぽりと閉じ込めて顔をまじまじと見つめてくる。
「やっ…近いです。離して…」
(う〜、恥ずかしいからあんまり見ないで……)
コツンっ!
「…………えっ?」
「…………熱はないみたいだな。もう休むか?遅くまで付き合わせて悪かったな」
「っ…信長様…」
信長様は、ピタリと額を合わせて心配そうに私の様子を窺ってくれている。
かけてくれる言葉も、愛情たっぷりの声音でひどく優しげだった。
(言えない…信長様は本当に私の身体を案じて下さってるっていうのに……あんな欲求不満みたいな夢、勝手に見ちゃって…)
罪悪感に苛まれた私は、その後も暫く信長様の顔をまともに見られなかったのだった。
(でも……夢なのに、気持ち良かったな……なんて…)