第2章 安土にて
「そのような蕩けた顔をして、俺を煽ってるのか?」
信長様は片方の手で胸の突起をクニクニと弄りながら、もう片方の手で着物の裾を割り、太腿をさらりと撫で上げる。
腿の中心の秘密の部分に乾いた手のひらが触れた瞬間、私はハッとなって信長様の逞しい胸板を両手で強く押し返した。
「いや、やめて下さいっ」
(怖い…自分が自分でなくなるみたい。これ以上流されてはダメ)
「ふっ、2度もこの俺に抗うか。まぁよい、今宵はここまでにしておいてやる」
(俺に抗う貴様を身も心も蹂躙し、ゆっくりと奪い尽くすのも、また一興よ)
乱れた着物を掻き合わせ、信長様の熱い眼差しから逃れるように、私は急いで天主を後にした。